研究シーズ検索
研究シーズ検索

岡山大学 理学部 数学科

自然科学(理・工)

 | 

先端数物系科学

代数学分野 幾何学分野 解析学分野

理学部 数学科

https://www.math.okayama-u.ac.jp/

研究分野の紹介

数学的な思考は,人類の文明の発祥とともに起こり展開してきました。数の四則演算や方程式を解くことから始まって抽象化された代数学,関数の性質を調べる微積分法から発展した解析学は自然現象の解明の手段も与えます。図形の性質を調べるユークリッド幾何から始まった幾何学は,非ユークリッド幾何の発見を経て,さらに図形の連続的な変形で保たれる性質を調べるトポロジーと結びついて発展しています。
数学の諸分野は19世紀,20世紀にわたって,抽象化による数学の諸概念の確立と,それらの思いがけない所での出会いを通して壮大な現代数学の世界として統一され,今も発展中です。
近年では、数理、データサイエンス、AI教育プログラムの基盤となる学問として注目されており、数学科の卒業生にはこれらの分野の企業に就職する人も多くみられます。また、大学院でのリカレント教育(社会人のための再教育)にも力を入れ始めています。

代数学分野

時代を超えて、色あせない数学の美しさと奥深さが詰まった学問

代数学とは、数や行列のように演算を持った集合「代数系」を扱う学問です。その他、数に関する様々な問題を扱う「整数論」や、図形を「環」と呼ばれる代数系と結びつけて調べる「代数幾何学」なども、代数学の代表的なテーマです。代数系は自然科学の諸分野においても、周期性や対称性を記述する概念として広く活躍しています。代数系のこうした側面に注目した研究は「表現論」と呼ばれます。代数学分野では、整数論,代数幾何,環論,表現論などの代数構造の研究,及び計算機を用いた数理に関係する数学の研究を行っています。

【研究の基盤科学技術と産学連携の可能性】
産学連携に関連する話題としましては、最近よく話題になる暗号理論と代数学の関連が挙げられます。特に有名な楕円曲線暗号は整数論と代数幾何学の分野で代表的な研究対象である楕円曲線の加法構造を応用して得られる暗号で現在多くのセキュリティ関連の分野で使われています。また、整数論を用いて乱数を発生させるアルゴリズムもゲームソフトなどで広く応用されています。このような技術の原理的理解の説明には十分対応できますし、新たな手法の開発にも助力が可能なのではと考えています。

幾何学分野

三角形と円が「同じ」? 図形や空間の性質を様々なアプローチで研究する学問

数学の中で、図形や空間の性質を代数学や解析学の道具を駆使して調べるのが幾何学という分野です。その中の「微分幾何学」は 、我々の住む空間の概念を拡張した「曲がった空間」を研究対象とします。 また「位相幾何学」は新しい幾何学の一分野であり、複雑な図形を自由に伸び縮みできる柔らかいものと考えて議論します。位相幾何学の視点で分類すると、ドーナツとコーヒーカップが「同じ」になるという、一見すると不思議なことがおこります。これらの図形が「同じ」であるかそうでないかを判定するために、解析や代数を用いて考えます。

【研究の基盤科学技術と産学連携の可能性】
幾何学の分野の産学連携の可能性のある話題として最近よく取り上げられるものの一つとして、タンパク質等の巨大分子の形状解析にトポロジーで用いられるホモロジー論を応用する事が挙げられます。これは、巨大分子に空いている穴の数を数学のホモロジー理論と計算機の力を借りて求めていく技術で、このような技術の原理的理解に助言し、新たな手法の開発に貢献する事は可能であると考えています。また、GPSの微小な誤差補正に、一般相対論という微分幾何学をもとにした理論が応用されている事は有名ですが、この補正の原理的理解と技術開発にも協力できる可能性があると考えています。

解析学分野

様々な進化・深化を遂げ、様々な分野の研究に用いられる学問

刻一刻と変化する様々な現象を理解する際に、強力な数学的道具となってきたのが微分方程式と呼ばれる未知関数と、その導関数の関係式として表わされる方程式です。また、右図で示している「偏微分方程式」の解の性質を調べる過程で、複素関数論、ルべーグ積分論などの新しく美しい理論が生み出されました。さらに、ブラウン運動などの ランダムなノイズが入った微分方程式によって、確率解析という理論が定式化されました。このように深化した解析学は、現在、自然科学や金融工学をはじめとした社会科学の研究でも盛んに用いられています。

【研究の基盤科学技術と産学連携の可能性】
多くの現象が偏微分方程式もしくは確率微分方程式を用いて記述されるため、解析学の分野において産学連携に関連する話題は多岐に渡ることが期待されます。例えば、神経細胞の信号伝達は微分方程式で表されるため、医療に関する問題解決も可能ではないかと考えています。また、神経細胞の信号伝達から派生したニューラルネットワーク理論は、統計学やビッグデータ解析など様々な分野で応用されています。ニューラルネットワーク理論を用いて、株価などの不規則な変動を表す数理モデルを記述する確率微分方程式を数値解析することで、技術開発の面でも協力できる可能性があると考えています。

研究に用いる計算機ソフトウェア等

数学は、基本的に実験器具などは使いませんが、補助的に計算機および計算機ソフトウェアを援用する場合があります。以下に数学の研究で使われる事のある計算機ソフトウェアを挙げておきます。
代表的な数式処理・計算ソフトウェア
Maple
Mathematica
SageMath (代数計算に強い)
MATLAB (技術者にも広く使われている)

MDSバナー MDSバナー