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免疫学

活性酸素による腫瘍微小環境の代謝制御とがん免疫賦活研究

医歯薬

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先進医療研究

腫瘍微小環境ストレス蛋白抗原提示抗原プロセシング免疫疲弊CD8T細胞代謝免疫がん代謝

学術研究院医歯薬学域

http://www.okayama-u.ac.jp/user/immuno/index.html

代表者

教授 鵜殿 平一郎

1985年: 長崎大学医学部卒業 医学部附属病院第二内科 研修医
1990年: 長崎大学大学院博士課程修了 腫瘍免疫学専攻
1991年: 米国ニューヨーク・マウントサイナイ医科大学留学(Dr.P.K.Srivastava's Lab)
1999年: 長崎大学医学部助教授
2003年:(独)理化学研究所横浜研究所RCAI チームリーダー
2011年:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
2021年:岡山大学学術研究院医歯薬学域 教授 〜現在に至る

専門分野

生物系、免疫学、腫瘍学およびその関連分野、実験病理学、腫瘍免疫学、腫瘍治療学、腫瘍学およびその関連分野

研究概要

1、内在性抗原提示の始動機構の全容解明。
リボゾーム合成蛋白の約3%は、何らかの理由により正常な3次元構造をとれず凝集しやすい。この蛋白分子をDefective Ribosomal Products (DRiPs)と呼ぶ。DRiPsをユビキチン化する特定のE3ユビキチンリガーゼは存在するのか、その分子は何か、そもそもどのようにしてDRiPsを識別するのか、について一連の分子機構を明らかにし内在性抗原提示の始動機構の全容解明を目指す。

2、クロスプレゼンテーション機構の全容解明。
外来性抗原は樹状細胞に貪食されエンドソームないしファゴソーム内にしばらく留まるが、その一部は小さな孔を通って細胞質へ移行する。抗原は本来の構造を維持できずヒモ状になって(DRiPs構造に近いかもしれない)孔を通過する。このとき細胞質Hsp90に抗原が認識され細胞質へ引っぱり出される。その孔は一体どのような分子から構成されているのか、そもそもどのようなメカニズムで外来性抗原だけを引っぱり出せるのかは不明である。この一連の分子機構を明らかにする。


3、腫瘍局所における免疫疲弊解除研究。
免疫チェックポイント分子と呼ばれる免疫を負に制御する分子シグナルを如何に回避・克服するかという問題は「がんの免疫治療」において極めて重要な課題である。我々は2型糖尿病治療薬メトホルミンの経口投与が腫瘍内浸潤リンパ球(TIL)のミトコンドリア活性酸素を介してCD8 T細胞の免疫疲弊を解除することを見いだした。マウスモデルを用い、免疫疲弊とその解除に係る細胞内外の分子メカニズムを明らかにする。さらに多くの臨床教室と連携して抗PD-1抗体とメトホルミン併用による医師主導治験を行っている。

関連特許情報

特許第662911号 免疫細胞の機能増強方法及び免疫細胞の多機能性評価方法 鵜殿平一郎 榮川伸吾 豊岡伸一
南アフリカ(2017/01113) , イスラエル (250639), オーストラリア(2015304448), ロシア(2731098), メキシコ(384315)
特許第6672217号 ビグァニド系抗糖尿病薬と免疫抑制因子解除剤又は共刺激受容体作動薬との併用による免疫能異常に伴う疾患の治療及び/又は予防 鵜殿平一郎 榮川伸吾 豊岡伸一

先生からのアピール

がん研究は変異ゲノムを中心にこれまで展開されてきました。しかし今、潮流が変わりつつあります。それは「がんと代謝」という研究領域です。がんとは一体何者なのか。実はよくわかっていないのです。遺伝子変異の蓄積が癌化の原因とされますが、変異が入る以前の前がん細胞において既に代謝が解糖系優位に変化しています。これはがん細胞特有の代謝状態です。私たちの体をがんから守るのは免疫細胞です。がんと免疫細胞の攻防は、突き詰めれば糖を巡る攻防、という理解に置き換わろうとしています。この代謝競合を免疫細胞に有利に展開するにはどうしたら良いのか、新しいがん免疫治療の概念を構築し、実践することを目指しています。

研究室所属者

工藤 生

2018年度: 岡山大学, 医歯薬学域, 助教

西田 充香子

2020年度: 岡山大学, 医歯薬学域, 助教

徳増 美穂

岡山大学, 医歯薬学域, 大学院生

山下奈穂子

岡山大学, 医歯薬学域, 研究補助員

工藤 生/西田 充香子/徳増 美穂/山下 奈穂子/Chao Ruoyu/Weiyang Zhao