構造生物薬学
感覚受容体やシグナル伝達タンパク質・受容体の制御タンパク質などの構造・機能解析
医歯薬
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先進医療研究


代表者
教授 山下敦子
2012年度: 独立行政法人理化学研究所, 播磨研究所・分子シグナリング研究チーム, チームリーダー
2012 – 2020年度: 医歯薬学総合研究科, 教授
2021年度: 医歯薬学域, 教授
専門分野
構造生物化学、分子生物学およびその関連分野、理工系、構造生物化学関連
研究概要
1.感覚受容の構造生物学
2.薬学・医学・歯学標的膜タンパク質の構造生物学
3.真核生物膜タンパク質構造・機能解析の方法論研究
4.甘味タンパク質を非抗体分子骨格とする人工結合タンパク質の設計・作製と利用
視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚などの「感覚」は、私たちが外界にむかって開いている唯一の「窓」です。これらは、環境や異なる個体から受け取ったさまざまな情報を変換・統合・認知する、生物にとって重要な機能です。私たちは、感覚受容の第一段階、すなわち外界からのシグナルを受容しそれを生体内で伝達されるシグナルに変換するまでの過程に焦点をあて、感覚受容体やシグナル伝達タンパク質・受容体の制御タンパク質などを対象に構造・機能解析を行い、感覚受容のしくみを理解することを目指しています。
また、受容体をはじめとする膜タンパク質は、ゲノム情報の約20-30%を占め、生体内の様々な役割を担っており、重要な薬の標的です。私たちは、受容体・チャネル・トランスポーターなど、薬学・医学・歯学研究の標的膜タンパク質群について、構造・機能研究を行い、創薬につながる知見を得ることを目指しています。
上記の課題で取り扱う真核生物膜タンパク質は、現在の構造生物学の最難関課題です。これらの構造解析や機能解析を達成するため、膜タンパク質解析の中でもボトルネックとなる試料調製・結晶化や機能解析を推し進める方法論の開発を行っています。
また、抗体のように標的の分子に特異的に結合する「人工結合タンパク質」は、上記の課題を含む様々な研究で活用されています。甘味タンパク質をベースとして進化分子工学の手法で人工結合タンパク質を設計・作製し、それらを用いることにより、上記研究課題を推し進めるとともに、新しい生命科学を切り拓くことを目指します。
研究室所属者
2021年度: 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授
安井典久