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管理会計学研究室

価値創造プロセスにおける管理会計の役割に関する研究

社会文化科学

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地域研究・政策研究

会計経営経済企業原価計算情報理念価値環境社会資源製品開発持続可能な開発マテリアルフローMFCAサーキュラーエコノミーCEイノベーションサステナビリティ

学術研究院社会文化科学学域

https://www.e.okayama-u.ac.jp/staff-research/staff/#25

代表者

准教授 天王寺谷 達将

2013年神戸大学大学院経営学研究科修了、博士(経営学)。広島経済大学経済学部助教・准教授、岡山大学大学院社会文化科学研究科講師を経て、2021年4月より現職。

専門分野

会計学

研究概要

数字は、価値創造プロセスにおいて重要な役割を担っている。数字は価値創造の結果を示すのみならず、価値創造を促進している。例えば、貨幣額で表現される数字(貨幣情報)は企業活動で生み出された利益という価値創造の結果を示すだけではなく、意思決定などのプロセスで貨幣情報が利用されることで(どの案が一番儲かるかなど)、利益という価値創造を促進している。貨幣情報は、経済に関する価値創造プロセスにおいて重要な役割を担っているのである。
一方で、企業は、経済に関する価値のみならず、環境に関する価値や社会に関する価値など、複数の価値を追求することが求められている。この傾向は、特に、近年において高まっていると言えるであろう。複数の価値を追求することは、経済という単一の価値を追求することに比べて複雑である。
例えば、複数の価値を追求することに貢献する手法としてマテリアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting: MFCA)という会計計算がある。MFCAは、廃棄物など、最終的に製品とならないマテリアルやエネルギーにかかるコスト(マテリアルロスコスト)を計算することで、資源生産性の向上を通じた環境負荷低減とコスト削減の同時実現を促進することができる。しかしながら、MFCAの計算プロセスは、最終的に情報を貨幣情報に集約させることから、環境負荷低減という環境に関する価値は、コスト削減という経済に関する価値に従属して向上する関係性、すなわち経済に関する価値が優先される関係性が作り出されている(天王寺谷・東田・篠原、2020)。複数の価値を追求するにあたって、経済に関する価値が優先されることは、必ずしも批判されることではないが、追求する価値間のバランスが崩れてしまうと問題が表出する。複数の価値を追求する手法としてMFCAは改善の余地があるのである。

企業などの組織は、いかにして複数の価値をバランスよく創造することが出来るのか。この困難だがやりがいのある課題に私は取り組んでいる。近年の成果としては、複数の価値のバランスを捉えた企業理念を利用したマネジメントに着目した研究(天王寺谷・諸藤・中嶌・鈴木・木村、2022)や、環境に関する価値の追求という観点からMFCA研究の今後の課題を提示した研究(天王寺谷、2021)が挙げられる。また、企業との共同研究も行っており(大建工業株式会社、株式会社TCEなど)、写真はその一部である。

共同研究への期待

サステナビリティへの貢献は、複数価値を追求する戦略を実行することで形となります。その仕組みづくりを一緒にさせていただきたいです。具体的な内容は、各組織における課題をベースに決めていけたらと思っています(例えば、製品開発プロセスをサステナビリティ配慮型にする、サステナビリティを追求するための企業理念を組織全体に浸透させるなど)。

先生からのアピール

私は、自身の研究から得られた知見を実践に活用してもらいたい、さらに共同研究を通じて知見を深めたいという思いから産学連携を重要視しています。複数価値を追求するための議論は応用範囲が広く、多種多様な共同研究を通じて社会貢献できれば嬉しく思います。

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